さようなら

長い間、主治医を担当させていただいたAさんが亡くなりました。

初めてAさんとお会いしたのはもう10年くらい前、現在のクリニックを開業する前の総合病院勤務医の頃からのお付き合いになります。

Aさん、「頑固一徹」をそのまま絵に描いたような方で、ありとあらゆることにおいてご自身の考え方を曲げようとはせず、すべてがつつがなく進まないととても立腹されます。 おまけにお若いころにつらい手術を受けた経験をきっかけに医療に対して強い不信感を持っておられましたので、事あるごとに医療従事者に大雷を落とされました。 
私も含め、クリニックのスタッフも幾度となく怒られました。

そんなAさんですが、折に触れて「わしは先生を信頼してるんや。だからたまには喧嘩もするけど、体のことは先生に任せたからな。」と仰ってくれました。

6年前に独立したとき、クリニックが遠方ということもあり、勤務していた総合病院で診察させていただいたほとんどの患者さんはそのまま病院への通院を続けられましたが、Aさんは車を飛ばしてクリニックまで通院してくださりました。

4年前に大病を患い、歩くのもままならない状態になり、私がご自宅にお伺いして診察を続けていましたが、相変わらず曲がったことには徹底的に怒りをぶちまけておられました。

さらに2年前に別の病気を発症され(検査などは希望されず、最近になって診断が確定しました)、特に今年になってからは体調が優れないことが多くなり、そして奥様に見守られて息をお引き取りになりました。 数日前に診察をさせていただいた時には顔色もよく、まだまだ頑張ると仰っていましたが突然のお別れでした。

なかなか接し方が難しく悩まされることも多かったAさんとの関係ですが、私とAさんとの間には不思議な強い結びつきがあったような気がしています(私が勝手に感じているだけかも知れませんが)。

Aさん有難うございました。天国では腹を立てずに穏やかにお過ごしください。
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